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2月9日付
既存の農業イメージに新風
独自に販路開拓 経営は法人化
 柔軟な発想力と行動力で、20~30代の若手農家が新しい農業のスタイルを探っている。市場を通した主流の流通を選ばず、インターネットや直売所など独自の販路を開拓したり、オリジナリティーある生産物でレストランとの直接契約を目指したり。栽培日誌などをブログで公開する情報発信も活発で、既存の農業のイメージに新風を吹かせている。

■会社辞めて新規就農  

国道311号から数百メートル入った熊野市紀和町矢ノ川の山間部。一年のうちで最も冷え込む時期だが、4棟のビニールハウスの中には、赤く熟したトマトが鈴なりに実る。  生産するのは、熊野市有馬町の木原龍徳さん(35)と尾鷲市の岩本百也さん(33)。2人は、2年ほど前に尾鷲市の通信会社を辞め、新規就農した。

 ハウスでは、生産コントロールが安易なプランター栽培法「少量土壌培地耕」で、大玉品種の「りんか」を作る。2期目の今年は6月末にかけて、約10トンを収穫する見込みで、御浜町のさぎりの里など地域密着型直売所3か所に出荷している。

■トマト生産への道のり

 木原さんは埼玉県上尾市出身。システムエンジニアとして関東で働いていたが、妻の父の実家がある熊野に訪れるうちに田舎暮らしに魅力を感じ、移住を決意。新たな就職先で出会った岩本さんと意気投合し、「この土地でできることをやろう」と就農を決めた。

 ハウスは地元の農家から譲り受けた。岩本さんは「環境が整っていたことが大きかった」と就農に至った道のりを説明する。

 ハウスでは当初、イチゴを栽培する予定だったが、苗作りがうまくいかずに断念。「栽培面積あたりの単価が高いこと」を条件に、何を作るか検討していたため、当初から候補に入っていたトマトに路線変更した。栽培のノウハウは、滋賀県の生産農家などを視察して学んだ。

■経営は法人形態に

 農業経営は、法人形態にした。法人化すると、税の負担や事務処理が増えたり、労務管理の必要性が生じたりする一方、加工や販売など経営を多角化するにはメリットがある。家族を持つ世帯主の2人にとっては、福利厚生を充実させたい思いもあった。

 平成22年5月に設立した農業生産法人「株式会社熊野農園」では、木原さんが代表取締役、岩本さんが取締役を務める。今年1月からは、トマトの収穫時期以外の収入を確保するため、小麦粉などを練った皮に具を包んだ惣菜(そうざい)、おやきの製造を開始。試行錯誤して完成させた商品で、「年間を通して作りたい。今後、おやきのバリエーションを増やすか、別の商品を開発するなどできれば」と意欲を見せる。

 柱のトマト栽培は、将来的には出荷先の拡大も視野に入れるものの、今の生産規模を考えると、販路は確保されており、今後は「安定生産に向け、トマトの栽培方法を確立させること」が目標だと考えている。


災害ごみ撤去3月末完了
年間発生量の3倍超える
 紀伊半島大水害によって発生したがれきや土砂の仮置き場となっている紀宝町大里の深田グラウンドで災害ごみの搬出作業が進んでおり、今月4日現在で処理したごみの量は約1万1100トンになった。順調に進むと、3月末までにすべての廃棄物を搬出できる予定だという。

 同グラウンドは、1万2600平方メートルの広さがあり、野球大会や各種イベントなどで町民が活用している。台風12号によって町内に大量の災害ごみが発生したため、昨年9月8日から仮置き場となっている。

 同町環境衛生課によると、ピーク時にはごみの搬入車両が1日で1500台(9月11日)、搬出車両が52台(同22日)を記録。搬入されるごみは、始めのころは家財道具などが大半を占めていたが、最近では家屋の解体やリフォームに伴う廃棄物がほとんどという。

 今では1日に平均すると搬入車両は30~50台を推移しており、搬出車両は1週間で10台程度にまで落ち着いている。処理した廃棄物は約1万1100トンにもなり、同町の年間廃棄物発生量の3年分に相当する。

 仮置き場では、「コンクリート」「瓦・レンガ」「金属くず」「家屋解体木くず」「その他の木くず」「畳」「その他不燃ごみ」などに分別しており、災害発生当初は、持ち込まれたごみが分別できていないことが多く、処理に時間を要するなど課題もあったという。

 また、今でも撤去されずに残っている被災家屋もあるため、町環境衛生課は「国の補助事業では年度内で処理することになっているが、それまでに家屋の解体が間に合わない住民がいる場合、国と協議しながら4月以降も受け入れを行う可能性もある」と話している。

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