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国宝を火災から守れ
「文化財防火デー」 各地で訓練
毎年1月26日は「文化財防火デー」。新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、那智勝浦町の熊野那智大社(朝日芳英宮司)、那智山青岸渡寺(高木亮享住職)でも同日、防火訓練が実施され、貴重な文化財を守る意識を高めた。また、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では24日、同防火デーに先立って訓練を実施した。
熊野速玉大社では、同大社職員で構成される自衛消防隊と新宮消防署員・団員、婦人防火クラブ会員らが参加。「午前8時55分、国宝・重要文化財を保存している神宝館から出火。自衛消防隊の懸命な消火活動にもかかわらず、延焼拡大する事態が発生。また、神宝館入り口のシャッターが開放できないため、文化財の搬出が困難」との想定で行った。
巫女(みこ)が神宝館から煙が出ているのを発見し、走りながら高らかに「火事です」と周囲に知らせた。婦人防火クラブ会員によるバケツリレーや自衛消防隊の放水による初期消火活動に取り掛かって間もなく消防隊が到着。上空25メートルからのはしご車による放水など、本格的な消火活動が行われた。
また、並行して文化財搬出作業も実施。パイプで仮想したシャッターをエンジンカッターで切り開き、婦人防火クラブ会員や巫女らが文化財を運び出したり防水シートで保護したりした。
訓練終了後、坂本憙信教育長があいさつ。昨年9月の台風12号によって同大社の御旅所(おたびしょ)が流失し、新宮城跡の斜面も崩壊したことに触れ「文化財の保護・防災をさらに深く考えていかなければならない」と強く訴えた。また、上野宮司は「本殿や拝殿、参集殿など防火の観点から造営している。また神宝館の中はほとんどが国宝。守ってくださることを心からありがたく感謝している。実際に火災が起きると今日のようにできるか不安だが、訓練を重ねながら守っていきたい」と文化財保護への思いを語った。岡本秋久消防長は「消防隊が到着するまでの訓練では、大変テキパキとしており心強い思いがした。これからも連携を密にして世界遺産を守っていきたい」と講評した。
■文化財防火デー■
昭和24年1月26日に、奈良県の法隆寺金堂壁画が火災によって焼損したことから、昭和36年に1月26日を「文化財防火デー」と定め、この日を中心に全国的に文化財防火運動を展開。文化財愛護思想の高揚を図っている。
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浅里などに衛星電話を配備
紀宝町 通信手段を強化
紀宝町は紀伊半島大水害による熊野川の氾濫などによって一時孤立した北桧杖、瀬原、浅里地区の川丈筋に、衛星携帯電話を年度内に整備する。避難所や区長宅などへの設置を考えており、総務課防災対策担当の稲葉祐二課長補佐は「地区住民の意見を踏まえながら、今後、設置場所を検討していきたい」と話している。
熊野川沿いに位置する3地区は、台風12号の記録的豪雨によって、河川の氾濫や土砂崩れが発生し一時完全に孤立。全域で停電となったため固定電話が使用できず、携帯電話も通じなかった。
また、避難勧告・指示などを住民に伝える防災行政無線の子局も浸水で故障。各世帯に戸別受信機が配布されていたが、中継局を兼ねている子局が機能しなくなったために、戸別受信機も使用できず、完全に外部と連絡が取れない状態に陥った。
浅里地区の消防団の車両には、防災無線の移動系が配備されていたが、町から連絡を取りたくても受け手がいない場合が多く、情報伝達がうまくいかなかったという。そういった課題点を踏まえ、情報伝達手段の一つとして衛星携帯電話を配備することを決めた。
衛星携帯電話は、電話線でつながっていないため、土砂崩れなどで断線することもなく、本体さえ無事であれば連絡が取れるメリットがある。ただ、停電時には内蔵バッテリーがあるものの、長期間の使用はできないため、地区の発電機を活用するなど今後、設置場所と併せて検討していくという。
浅里地区の西畑正良元区長は「台風以降、災害時の通信網は課題となっていたので、大変うれしい。一日も早く整備してほしい」と語った。