頑張ろう紀伊半島 東北とともに。
新宮市の姉妹都市である宮城県名取市も大きな被害を受けました。
紀南地方ではそれぞれにできる支援の輪が広がっております。
被災地の皆様のご健康と一日も早い復興をお祈り申し上げます。
5月19日付
新宮市・消防・県航空隊が合同訓練
孤立集落を空から守れ
 新宮市消防署や同熊野川出張所、新宮市防災対策課や県防災航空隊らが18日、新宮市熊野川町篠尾(ささび)地区で連携して防災訓練を行った。大規模災害時、道路の寸断などで孤立する可能性がある同地区の住民に対し、県の防災ヘリによる救助救出や物資輸送についての理解を深めてもらうとともに、地区住民の孤立時の不安要素解消と消防職員の降下要領の経験、県防災航空隊員との連携強化を図ることなどを目的に、今回初めて実施した。

 参加したのは新宮消防から3人、同熊野川出張所から6人、市防災対策課から3人、県防災航空隊から9人の計21人で、次の3つの想定で訓練を行った。

1消防隊員単独降下訓練

 大規模災害が発生、篠尾地区への道路が寸断され孤立地域となる。新宮消防から防災航空隊に、状況把握のための消防隊員投入を要請▼消防隊員が防災ヘリに搭乗。ヘリの現場上空到着後、消防隊員が単独降下し、情報収集活動。

2物資輸送訓練

 篠尾地区が孤立したため、市からの依頼を受けた新宮消防から防災航空隊に篠尾地区への物資搬送を要請▼用意した物資を防災ヘリに積み込む。現場上空で物資を単独投入。先に単独降下した消防隊員が投入物資を受け取る。

3救助救出訓練

 孤立している篠尾地区で傷病者発生の情報を入電するが、陸路での進入は不可能と判断して防災ヘリを要請。また、孤立地域の患者状況把握のため、新宮消防署の救急隊員1人の投入も併せて要請▼救急隊員1人が航空隊員と同時降下により孤立地域へと入る。住民の安否確認後、1人を医療機関へ搬送する必要ありと判断し、レスキューハーネスでヘリへピックアップ。救急・航空両隊員も収容し、ヘリの現場離脱で訓練終了。

 防災ヘリは市熊野川町宮井のヘリポートを離陸、約5分で現場に到着し、上空でホバリング。合計3往復して飛行訓練を行うとともに、各訓練を実施した。現場は集落の最奥にある休耕田で、周辺に電線などがない場所。

 篠尾地区は昨年9月の台風12号水害で実際に孤立した。1人が犠牲になったほか、地区では電話や電気、防災無線なども不通になり、水害から5日後に衛星電話が設置されるまで連絡が取れない状況に陥った。

 そのため訓練は住民の関心が高く、地区の27世帯40人(4月30日現在)の多くも見学に訪れた。垣内金夫区長(73)は「台風12号の時も孤立して外と連絡も取れず、えらい目に遭った。今回ヘリが来るような訓練は初めて。今後は孤立するようなことはないと思いたいが、住民も少し安心できたと思う」と話した。

 訓練後、市の井上登防災対策課長は住民を前に「訓練はヘリが着陸できないこの地域で、こういう方法もあるという例。今後、東南海・南海地震などが起きた際はしばらく住民だけでしのいでもらわなければならない。今後も市と地域の皆さんと連携して話し合いし、対策を進めていきたい」と呼び掛けた。


津波備えて 警備体制強化
海岸部の急傾斜地 警察や県などが視察
 熊野警察署と県、市などは17日、地震や津波、台風など自然災害に備え、情報を共有するための合同点検を熊野市内で実施した。10人が県警の警備艇に乗船し、地震が発生した場合、大きな津波が来ると想定される海岸部6か所を視察した。

 合同点検は、防災関係機関の警備体制を強化するために例年、実施している。この日は、熊野署のほか、熊野県民センター、県熊野建設事務所、市消防本部、市役所の各職員が参加した。

 二木島町の二木島港から、警備艇「あらしま」に乗り込み、急傾斜地に住宅がある二木島、甫母(ほぼ)、須野、遊木、新鹿、磯崎の6地区を順に見てまわった。距離感のある海上から陸地を見ることで、地形を確認するのが狙い。

 また、二木島港では、平成17年に開閉が自動化された樋門を点検。県熊野建設事務所からは、油圧を使ったモーターで動くことや、市に委託して地元の消防団員らが操作していることなどが説明された。

 同所によると、管内で自動化されている樋門はこのほか、紀宝町の鵜殿港などで、津波の際には扉を閉めることで、波の勢いを抑える効果が期待できるという。

 参加した職員らは、扉を実際に開閉して、正常に作動することを確認した。熊野署の伊藤正孝署長は「豪雨や3連動地震などの発生に備えて、警察だけでなく、市や消防、県などと連携をとりながら対策を進めたい」と述べた。

 また、昭和19年の昭和東南海地震を二木島町で体験した、熊野市井戸町の鈴木美文さん(74)は、津波について講話し、「東北と異なり、静かにさーっと水が上がってきたのが印象に残っている。東日本大震災を教訓に、十分に備えて、対策をしていく必要がある」と呼び掛けた。